2019年10月17日 (木)

全力全用 自他共愛 (精力善用 自他共栄 の個人的再解釈です。)

インスピレーションです。

講道館柔道(と武徳会柔道等、関連流派)の創始者の、嘉納治五郎師範の唱えた柔道の理念、究竟の目的は

「精力善用 自他共栄」(心身の力を最も有効に活用し 己を完成し 世を補益する)ですが、

いまいちしっくりこなかった部分を自分なりにしっくり来るようにちょっと再解釈し、少しパロってみました。

 

「全力全用 自他共愛」

 

心身の力を「精力」と現した嘉納治五郎師範ですが、今の概念で言うと「力」には精神・頭脳・肉体以外の意味合いも含まれると思います。

機械などの肉体外の力や、社会の力など。

個人的にはそれを「全力」と表現できるかな、と思います。

 

嘉納師範は、最も有効に力を使用することを「善用」(最善活用)と表現しました。

また、社会生活に益を成す行為・その目的の方向性を「善」とも表現しました。

しかし、価値観の多様化の時代においては、善悪を簡単に割り切れません。

善悪両方を含めて価値観の転換があろうと活動できることを自分なりに表現して「全用」としてみました。

 

「自他共栄」、自分も栄え幸福となり、他人にも協力し、お互いに栄えwin-winの関係になる。

これもなかなか難しい。

自分を幸せにすることもなかなか大変な場合が多く、他人に嫉妬の感情なしに幸福になってもらおうと行動することも現実的にはなかなか難しい。

個人的に根本的な部分で、「栄える」、ではなく「愛」と表現してみました。

 

「全力全用 自他共愛」

何も具体的に表していないようにも見えますし、全てを表しているようにも見えます。

片意地張らずに行こうと思います。

 

固い表現の時は「精力善用 自他共栄」、

ゆるい表現の時は「全力全用 自他共愛」

両方を自分なりに使っていこうと思います。

2019年10月 2日 (水)

嘉納治五郎の死

9月29日放送の大河ドラマ『いだてん』第37回「最後の晩餐」で嘉納治五郎の死が描かれました。

私の手元にある『嘉納治五郎大系 第十四巻』には、270ページほどある本文中、200ページ程を割いて「嘉納治五郎追登録」「嘉納先生を偲ぶ座談会」が掲載されています。

そこには『いだてん』作中でも描かれた、嘉納治五郎の最期を看取った外務省平沢和重氏の手記も掲載されています。

まだ全てを読んだわけではありませんが、冒頭数ページを読んだ上での気づいたところを書いてみます。

 

手記によりますと、作中語っていた精力善用について嘉納治五郎は最期の船旅の中で言及しています。

また、船内での港の会食の際に「人生で一番面白かったこと」を話題にしたことも平沢氏の手記には書いてあり史実だったようです。

実際には嘉納治五郎は風邪で体調が悪く自らのことを語ることはなかったおうです。

 

『いだてん』作中ではほとんどの人物は描ききれていませんでしたが、記録では氷川丸の帰港、嘉納先生の遺体の「哀しき凱旋」の際に、出迎えにあったのは、

嘉納先生の妻の須磨子夫人、嗣子の履正氏、長女綿貫範子夫人、横浜在住の五女篤子さんの夫君高崎正見氏をはじめ新席、

講道館の永岡秀一、飯塚国三郎、佐村嘉一郎、三船久蔵、の各指南役、

下村宏大日本体育協会会長、平沼亮三副会長、

カイロ会議に嘉納治五郎と共に活躍した永井松三事務総長、葬儀委員長に財部彪海軍大将、IOCの盟友副島道正、末弘厳太郎体協専務理事、

といった諸氏がいたと記述されています。

嘉納治五郎の遺志を継ぐ物語で『いだてん』はまだまだ続きますが、まだまだ描ききれなかった人物はたくさんいます。

そういった人物も描ききれる大河ドラマ『嘉納治五郎』も望むところです。

 

2019年7月28日 (日)

柔道部を扱った漫画作品について

最近読んだ漫画で、柔道をメインに扱ったものではないのですが、主人公が柔道部所属で柔道割合も結構多く興味深いかった作品を少しご紹介。


『金剛寺さんは面倒臭い』 とよ田みのる・著

超堅物女子高生の金剛寺金剛さんと、・超純真男子高生(鬼)の樺山プリンくんの、純愛ラブストーリー。

基本的にぶっ飛んだ設定のギャグ漫画です。

地上の現世世界と地下の地獄が繋がってしまって、人間と鬼が共生している世界観。

しかしそんな重い設定やストーリーをメインに進む訳ではなく、あくまでも主軸は堅物女子と純真男子のお付き合いのお話。

実験的なコマ割りで、時間軸の異なる話を同時進行させたり、平行する可能性の話を何たびか描写したりと、攻める作品。

画面への描き込み具合が植芝理一を彷彿とさせます。

柔道描写に関しては、ヒロインの金剛寺さんが高校の柔道部に所属していて、顧問(コーチ)も金剛寺さんのお父さん。超強豪校です。主人公の樺山くんも金剛寺さんとのお付き合いのために、お父さんに挑戦し、また所属することになります。

作中で最初に出てくる技が「体落とし」とは、渋い。しかし女子の実践的得意技と考えるとリアルで分かってる感が良いです。


もう一つ紹介するのは、『主将!!地院家若美』 やきうどん・著。

『金剛寺さんは面倒臭い』を読んでいて、柔道の扱いについて少し雰囲気が似てるかな、と思い起こしました。

こっちもギャグ漫画ですが、『金剛寺さん』が男女の純情恋愛なのに対して、『地院家若美』は男男(?)の変態(パロディ)モチーフ。

あくまでその変態性癖なのは主将の若美さんのみで、他はいたってノーマル。イケメンキャラも美少女・美女キャラも多く登場。ノーマルカップリングも何組もあったり。

しかし若美主将のあくの強さで、作品全体がアブノーマルな雰囲気(ギャグ)に汚染されてしまっているという。

こっちも日常話メインか、と思わせておいて、実は重い設定・ストーリーが主軸にあり、最終的にそれをメインに話は進み、完結します。

主人公の地院家若美さんは高校の柔道部の主将。実家が(合気)柔術の家系。他にも様々な格闘技・武道武術使いの人物が登場します。

柔道描写に関しては、日常の柔道部描写はかなり描かれるものの、作中描かれた大会の描写が終始ギャグで終わってしまって、「実は作者、柔道あんまり知らない?」と思ってしまいました。

それでも、柔道部をメインに扱った作品となるとありがたい思いもありますし貴重です。


どちらの作品も、あくまでもぶっ飛んだギャグ漫画ということを踏まえた上で、それぞれ人を選ぶ作品・作風とは思いますが、お薦めです。


南郷次郎・講道館二代目館長について

南郷次郎・講道館二代目館長の、嘉納治五郎亡き後~戦時中の講道館についてまとめたいな、と思っています。

戦時中の柔道については、武徳会の動きや、学校教育での体錬科についてはまとめていたのですが、戦時中の講道館・南郷次郎館長については、イマイチ分からなかったので言及出来ていませんでした。

少し見えてきたので、情報を整理してまとめてみようと思っています。

2019年6月20日 (木)

「柔能く剛を制す」と「精力善用」「自他共栄」それぞれとの関係

柔能制剛(柔能く剛を制す)

→ 精力善用(柔+剛、相手の力を利用するのと、自分の力を最大活用するのと)


柔能制剛(柔能く剛を制す)

→ 自他共栄(相手との関係、相手の力を利用するところから進めて、winwinの関係、エネルギーの循環)

2019年6月 1日 (土)

柔道教育ソリダリティー

2006年から活動の行われていました、山下泰裕・全日本柔道連盟会長が理事長を務める認定NPO法人「柔道教育ソリダリティー」が2019年5月30日の総会をもって13年間にわたる活動を終了しました。

山下泰裕理事長は、全日本柔道連盟会長などの要職にあり、また来年の2020年東京オリンピック・パラリンピックの活動とともに、今年7月には日本オリンピック委員会(JOC)会長に就任が予定されておる多忙を極める状況です。

その上で、「柔道教育ソリダリティー」が担ってきた活動は、今後、井上康生監督が4月に設立したNPO法人JUDOsによって、引き継がれていくようです。

山下理事長、お疲れ様でした。


Wikipediaより

柔道教育ソリダリティー

2006年には特定非営利活動法人 柔道教育ソリダリティーが設立されている。理事長として山下泰裕が就任し、「柔道の国際的な普及に寄与するとともに、その活動を通して人と人との交流を図り、異文化理解を進め、もって日本のさらには世界の青少年育成に寄与すること」を目的とし、

「柔道・友情・平和」をスローガンとし、

事業内容として、

1. 柔道の国際的普及、振興に係わる事業。

2. 柔道による文化交流、異文化理解の推進に係わる事業。

3. 柔道による青少年育成に係わる事業

を行っている。

2019年5月20日 (月)

嘉納治五郎の銅像 所在地まとめ

2019年5月16日に「JAPAN SPORT OLYMPIC SQUARE」の竣工式が東京都新宿区で開催されました。

この新会館は、老朽化で取り壊しされる「岸記念体育会館」に代わり、オリンピックに関わる様々な国内の競技団体の事務所が入る場所になります。

この場所には、嘉納治五郎の像が、クーベルタン男爵像や岸清一の像と共に設置されています。

そこで現在、嘉納治五郎の像が他にもどこにあるのかを調べてみました。

 

講道館(東京都文京区春日)玄関前

筑波大学(茨城県つくば市天王台)大学会館前広場

筑波大学附属小学校の占春園(東京都文京区大塚)

灘高校(兵庫県神戸市東灘区)

御影公会堂(兵庫県神戸市東灘区)御影郷土資料室・嘉納治五郎記念コーナー

JAPAN SPORT OLYMPIC SQUARE(東京都新宿区)

台東区役所(東京都台東区東上野)1階台東アートギャラリー(2019年2月10日(日曜日) ~8月9日(金曜日)まで展示予定)

ロシアのウラジオストック(柔道クラブがあった市内の建物脇)(ロシア柔道の父でサンボの創始者であるワシリー・オシェプコフに黒帯を授与しているイメージ)

ロシアのモスクワ(プーチン大統領の別邸)

 

この他にも銅像ではないですが、記念碑、レリーフなども様々な場所に結構あるようです。

2019年5月18日 (土)

柔道MIND

2013年に起こった一連の柔道界の不祥事を受けて、全日本柔道連盟は2014年4月1日から「柔道MIND」プロジェクトを立ち上げています。

 

「MIND」は英語で「精神」「心」、

嘉納治五郎の教えの精神、柔道の心に立ち返ろうという気持ちを込めたもの。
同時に「MIND」は4つの単語の頭文字をつなげたもの。

 はManners(マナーズ)、礼節
 はIndependence(インディペンデンス)、自立
 はNobility(ノビリティ)、高潔
 はDignity(ディグニティ)、品格尊厳

これら4つの単語を連ねたことには、柔道を行う者はこれら4つのことを守ってこそ「柔道家」と呼ばれるに相応しいのだということを明確に示そうという狙い。

 

全柔連では2013年に、「暴力の根絶プロジェクト」を立ち上げています。

それに加え、柔道MINDは、「礼節や品格などの正(プラス)の部分」を伸ばそうという意味合いを含め、「暴力の根絶」プロジェクトを柔道MINDプロジェクト特別委員会と名前を改め、活動内容も積極的に広げていくことになったもの。

 

暴力、暴言、セクハラ、パワハラ、不適切な指導を克服する事などは柔道をする者にとって当然の事。

これからは「柔道MIND」を心がけ、ともにその先を目指し新しい柔道界を築く目的。

2019年5月14日 (火)

超人(ツァラトゥストラはかく語りき)

超人(Übermensch)

超人の生き方
駱駝(ラクダ)のように重荷を厭わず
心の底から欲するものを獅子(ライオン)のように求め
そして幼子のように恍惚として人生と戯れる

 

フリードリヒ・ニーチェは、著作『ツァラトゥストラはかく語りき(Also sprach Zarathustra)』の中で「超人」の概念を語っています。

「神は死んだ」と世界を想定しても、ニヒリズム(虚無主義)に陥ること無く、超人になることを推奨しています。

「神は死んだ」の言葉だけを取るとニヒリズムの極致ですが、そこに留まるのでは無く、人間の成長をこそ求めています。

神が死んだと想定した場合、神の代行者となるべきとも考えられると思います。

 

自身も、大人(たいじん、おとな)であることも、小人(しょうじん、(子供)こども)であることも含めて、世界を生きる確固とした超人であろうと思います。

2019年5月12日 (日)

柔道とダンス(大河ドラマいだてん第18回ネタ)

大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺』第18回「愛の夢」では、女子の体育の歴史について相当詳しく描かれました。

その中では「女子体育の母」二階堂トクヨや、東京高等師範学校教授の可児徳が女子の体育にダンスを推奨していました。

講道館館長で、東京高等師範学校校長、大日本体育協会(初代)会長の嘉納治五郎も、前回のいだてん17回の中では女子の体育に関して、女子の激しい運動を否定する描写がなされていましたが、一方で嘉納の考えとしての理想の女子の体育に関してはダンス(的なもの)を推奨しています。

 

戸川幸夫・著『小説 嘉納治五郎』(読売新聞社)からの引用になります。

 

「私が嘉納治五郎に最初に会ったのは中学を卒業した年で、昭和五年十一月十五、十六の両日、明治神宮外苑相撲場で催された第一回全日本柔道選士権の時であった。

~中略~

確かあれは二日目だったと思う。その前に、古式の型の披露などがあった後、嘉納治五郎が羽織袴姿で登場し、

「柔道の精神は精力善用、自他共栄である」

との信念を長々と話し出した。会場を埋めた観衆の少なくとも半数は私同様嘉納を初めて見たという連中だったろう。

多くの観衆は初めのうちこそ、この人が柔道を創始した人だというのでおとなしく聞いていたが、嘉納の話が脂が乗って延々三十分以上になり、終には柔(やわら)の型こそ女子の体質に最も合うと、ダンスと比較して踊り出す

~後略~」

ということがあったそうです。

この際の嘉納の講演や形・ダンスの熱演は、試合を見に来た人達からの評判は良くなかったようですが、嘉納自身の当時考えていた理想の女子柔道の方向性と、柔道に試合・乱取り要素とは別に、形においてダンス要素を取り込もうとしていた情熱の感じられるエピソードです。

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