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2019年4月 7日 (日)

新元号【令和】 そして、嘉辰令月

平成31年4月1日に、5月1日からの新天皇陛下即位に際して施行される新元号が発表されました。

令和】が2019年5月1日から使用される新元号となります。

 

新元号「令和」の典拠は、『万葉集』の「梅花の歌三十二首の序文となっています。

 

 

「天平二年の正月の十三日に、師老の宅に萃まりて、宴会を申ぶ。

時に、初春の令月にして、気淑く風和ぐ

梅は鏡前の粉を披く、蘭は珮後の香を薫す。

しかのみにあらず、曙の嶺に雲移り、松は羅を掛けて蓋を傾く、夕の岫に霧結び、鳥はうすものに封ぢらえて林に迷ふ。

庭には舞ふ新蝶あり、空には帰る故雁あり。

ここに、天を蓋にし地を坐にし、膝を促け觴を飛ばす。

言を一室の裏に忘れ、衿を煙霞の外に開く。淡然自ら放し、快然自ら足る。

もし翰苑にあらずは、何をもちてか情を述べむ。

詩に落梅の篇を紀す、古今それ何ぞ異ならむ。

よろしく園梅を賦して、いささかに短詠を成すべし。」

 

現代語訳

「天平2年の正月の13日、師老(大伴旅人・おおとものたびと)の邸宅(太宰府)に集まって宴会を行った。

折しも、初春の佳き月で、空気は清く澄みわたり、風はやわらかくそよいでいる

梅は佳人の鏡前の白粉のように咲いているし、蘭は貴人の飾り袋の香にように匂っている。

そればかりか、明け方の山の峰には雲が行き来して、松は雲の薄絹をまとって蓋をさしかけたようであり、夕方の山洞には霧が湧き起こり、鳥は霧の帳に閉じこめられながら林に飛び交っている。

庭には春に生まれた蝶がひらひら舞い、空には秋に来た雁が帰って行く。

そこで一同、天を屋根とし、地を座席とし、膝を近づけて盃をめぐらせる。

一座の者みな恍惚として言を忘れ、雲霞の彼方に向かって、胸襟を開く。

心は淡々としてただ自在、思いは快然としてただ満ち足りている。

ああ文筆によるのでなければ、どうしてこの心を述べ尽くすことができよう。漢詩にも落梅の作がある。

昔も今も何の違いがあろうぞ。さあ、この園梅を題として、しばし倭の歌を詠むがよい。」

 

「初春の月にして、気淑く風ぐ」の部分から、【令和】の元号は採用されています。

 

令和の元になっている単語の令月の意味としては、

れい‐げつ【令月】
1 何事をするにもよい月。めでたい月。「嘉辰(かしん)令月」
2 陰暦2月の異称。

(デジタル大辞泉)

 

「嘉辰令月」

かしん‐れいげつ【嘉辰令月】
めでたい日と月。

(デジタル大辞泉)

と四文字熟語にもなります。

 

嘉辰令月歓無極万歳千秋楽未央

かしんれいげつよろこびきはまりなし、
ばんぜいせんしうたのしみいまだなかばならず
「和漢朗詠集 藤原公任撰」謝偃(しゃえん)「祝」より

めでたい時節と月の巡り、喜びは極まりない。これから先いついつまでも楽しみが尽きることはない。

朗詠にも使われている言葉です。

 

嘉辰令月の「」の文字は、嘉納治五郎の嘉納姓にも通じます。

単語の「嘉納」の意味としては、

[名](スル)
1 献上品などを目上の者が快く受け入れること。「御嘉納にあずかる」

2 進言などを高位の者が喜んで聞き入れること。

(デジタル大辞泉)

 

嘉納家の由来については、嘉納治五郎は灘の嘉納酒造家の一族であり、

「嘉納家は大昔から酒造家で嘉納という姓については、

古事記や日本書紀に登場する神功皇后に酒を献上したところ、

それをほめ(・ほめ)喜びおさめられた(・おさめる)、

すなわち嘉納されたところから嘉納と名乗るようになったと伝えられている」ようです。(『柔道の歴史』本の友社)

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