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2019年5月12日 (日)

柔道とダンス(大河ドラマいだてん第18回ネタ)

大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺』第18回「愛の夢」では、女子の体育の歴史について相当詳しく描かれました。

その中では「女子体育の母」二階堂トクヨや、東京高等師範学校教授の可児徳が女子の体育にダンスを推奨していました。

講道館館長で、東京高等師範学校校長、大日本体育協会(初代)会長の嘉納治五郎も、前回のいだてん17回の中では女子の体育に関して、女子の激しい運動を否定する描写がなされていましたが、一方で嘉納の考えとしての理想の女子の体育に関してはダンス(的なもの)を推奨しています。

 

戸川幸夫・著『小説 嘉納治五郎』(読売新聞社)からの引用になります。

 

「私が嘉納治五郎に最初に会ったのは中学を卒業した年で、昭和五年十一月十五、十六の両日、明治神宮外苑相撲場で催された第一回全日本柔道選士権の時であった。

~中略~

確かあれは二日目だったと思う。その前に、古式の型の披露などがあった後、嘉納治五郎が羽織袴姿で登場し、

「柔道の精神は精力善用、自他共栄である」

との信念を長々と話し出した。会場を埋めた観衆の少なくとも半数は私同様嘉納を初めて見たという連中だったろう。

多くの観衆は初めのうちこそ、この人が柔道を創始した人だというのでおとなしく聞いていたが、嘉納の話が脂が乗って延々三十分以上になり、終には柔(やわら)の型こそ女子の体質に最も合うと、ダンスと比較して踊り出す

~後略~」

ということがあったそうです。

この際の嘉納の講演や形・ダンスの熱演は、試合を見に来た人達からの評判は良くなかったようですが、嘉納自身の当時考えていた理想の女子柔道の方向性と、柔道に試合・乱取り要素とは別に、形においてダンス要素を取り込もうとしていた情熱の感じられるエピソードです。

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